同一労働同一賃金 4月から中小零細企業も対象

(2021年4月26日更新)

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金とは、企業内で正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
これまでは事業所によっては「正社員だから」「非正規だから」という雇用形態の差によって、待遇にも差をつけるということが公然と行われてきました。
正社員には通勤手当を支払うがパートには支払わない、などの待遇差がそれです。
しかしそれは不合理であるということで、単に正社員だから、非正規だから、という理由だけで待遇差を設けることを認めないよう法改正が行われました。
2020年4月からは大企業を対象に施行され、今年2021年4月からは中小企業も対象となっています。
以前までならまかり通ってきた正規と非正規の間の不合理な待遇差は、現在では法律違反となってしまうのです。


●パートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律):大企業2020年4月1日、中小企業2021年4月1日より施行
 パートタイム・有期雇用労働法条文はこちら

●労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律):2020年4月1日より施行
 労働者派遣法条文はこちら


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不合理な待遇差の解消

もちろん、認められないのはあくまで「不合理な待遇差」であって、合理的な待遇差はあっても問題はありません。
能力の違いや責任の違いによって待遇に差があるのは当然です。
しかし、待遇差を設ける場合、事業主はその待遇差についてきちんと説明できる必要があります。
ただ漫然と「正社員だから責任が重い」「非正規だから軽い」というだけでは不十分で、業務の1つひとつを具体的に検証する必要があります。 そして既存の賃金制度が本当に合理的なものとなっているのか、今一度確認し、不合理な待遇差があれば改善することが求められます。
例えば、通勤手当を正社員には支払うが非正規労働者には支払わないという待遇差があるとしますと、通勤という行為は正規・非正規の区分とは関係なく行われるものなので、単に正規・非正規という肩書の違いで通勤手当支払ったり支払わなかったりの差をつけるのは不合理な待遇差ということになります。

同一労働同一賃金はこれまでの賃金観を大きく変える考え方で、一連の働き方改革の中でも最も大きなインパクトのあるものとなっています。


均衡待遇~不合理な待遇差の禁止

「均衡」待遇の「均衡」とは、バランスが取れている状態を指します。
つまり、必ずしも一致していなくても、個々の違いに応じてバランスが取れていれば良いということです。
具体的には、以下の3項目の違いに応じた範囲内で、待遇を決定する必要があります。
 ① 職務内容
 ② 職務内容・配置の変更の範囲
 ③ その他の事情

例えば、担当する業務が難しい労働者は担当業務が簡単な労働者より賃金が高くなったり、転勤の可能性がある正社員は転勤をする必要がないパートタイマーより賃金が高い、といったことがありうるわけです。

均等待遇~差別的取扱いの禁止

「均等」待遇の「均等」とは、等しい状態を指します。つまり、同じでなくてはならないということです。
具体的には、以下の2つが同じ場合、待遇について同じ取扱いをする必要があります。
 ① 職務内容
 ② 職務内容・配置の変更の範囲

例えば、全く同じ仕事を同じ責任の重さで担当しているのに、正社員というだけで非正規より賃金が高い、というのは認められません。


待遇差の説明

パートタイム・有期雇用労働法で事業主は、非正規労働者から求めがあった場合に、通常の労働者との間の待遇差の内容やその理由について説明することが義務化されます。

説明内容

・正社員と非正規労働者の間で待遇の決定基準に違いはあるか?
・それぞれの決定基準

説明の方法

・就業規則や賃金規程を活用し口頭で
・容易に理解できる資料であれば資料の交付でもよい

説明に当たっての留意点

・非正規雇用労働者が説明を求めたことを理由として不利益取扱いしてはならない
・1度説明すればよいというものではない
・非正規雇用労働者が納得するまで説明を求めるものではない


非正規雇用労働者を正規雇用転換する助成金~キャリアアップ助成金正社員化コース

非正規雇用労働者を正規雇用労働者に正規転換すると、要件に該当すれば助成金を受給できる可能性があります。
キャリアアップ助成金正社員化コースです。
キャリアアップ助成金正社員化コースの対象となるのは、アルバイトやパート、契約社員などの非正規雇用労働者のほかに、派遣先企業から受け入れている派遣労働者があります。
特に派遣労働者を自社の正社員として直雇用する場合の受給額が増額され、受給額は1人当たり 85.5万円となりました。
(生産性の向上が認められる場合は108万円)
2021年度からは賃金増額要件が3%に緩和されるので、取り組みやすいかもしれません。

キャリアアップ助成金正社員化について詳しくはこちらをご覧ください。




派遣労働者の不合理な待遇差解消

 ①派遣先均等・均衡方式
   派遣先の労働者と均等・均衡待遇となるように派遣労働者の待遇を上げる。

 ②労使協定方式
   派遣元事業者と派遣労働者の間で労使協定を結び、厚労省が定める「一般労働者の賃金水準」に待遇を合わせる。




厚生労働省の同一労働同一賃金特設サイトはこちら



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電話:03-6382-4334
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