ニュースで話題になっている賃上げ税制。
賃金を上げるとその増額率などに応じて法人税の控除が増えるという制度で、この制度自体は以前から始まっていました。
今話題になっているのは、2022年4月からはその控除額が中小企業で最大40%まで増えるからです。
(図はNHK NEWS WEBから引用。NHK NEWS WEBの説明が分かりやすいのでご覧ください。)
ところで、この賃上げ税制における「賃上げ」とは具体的に賃金をどのように上げることなのでしょうか?
1人ひとりの賃金額の増額が必要なのでしょうか?
それとも、全員に支払った賃金の総額のことでしょうか?
2021年4月より前は個々人の賃上げが必要
2021年4月より前は、前年度から継続雇用している従業員への賃金の合計額が基準とされてきました。
つまり、新たに採用したばかりの従業員の給与は除外して判断されていたので、継続雇用している従業員それぞれの給与やボーナスの額が増額していなければ賃上げ税制の対象とはなりませんでした。
2021年4月以降は会社全体で支払った総額
2021年4月以降は、前年度からの継続雇用という要件が外され、会社全体で支払った給与やボーナスの総額の増加率で判断されることになりました。
新たに採用した従業員の賃金も含めてもよいこととなったのです。
つまり極端に言えば、たとえ従業員1人ひとりの賃金額が低下していたとしても、従業員を新たに採用して人数が増えたことによって、支払った給与やボーナスの総額が1.5%(大企業は3%)以上増えていれば、賃上げ税制の対象になることになったのです。
2022年4月以降も会社全体で支払った総額。控除率最大40%!
2022年4月以降は、2021年と同様に会社全体で支払った給与とボーナスの総額の増加率で判断されることとなりました。
そして賃上げに加えて教育訓練費を10%以上増額すると、中小企業では最大40%が法人税から控除されるなど、控除率が引き上げられることになりました。
ですからこれから忙しくなるため従業員を増やしたい会社では、2022年4月以降に採用すると、この賃上げ税制のメリットを最大限活かすことができることになります。
ただし従業員の採用はあくまで事業全体のバランスの中で考えるべきことですので、賃上げ税制のみにとらわれ過ぎないほうがよいことは言うまでもありません。
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